自然の力を生かした暮らし方
2016.10.26
「パッシブソーラー・ミーティング2016」に参加するため、東京に来ました。
パッシブソーラーとは、機械力に頼らず家のつくりや素材を工夫して太陽熱による暖房機能を持たせるシステムです。例えば床や壁に蓄熱率の高い素材を使い、昼に蓄えた熱を夜間に放熱するなどの方法です。代表的なものに「OMソーラー」があります。
今回は、このシステムを導入したり関わる建築家や全国の工務店が一堂に会し、昨今取りざたされている『ZEH』(ゼロ・エネルギー・ハウス)をどう考え、今後の住宅のあり方はどうあるべきかを議論するものでした。
※住宅性能を上げることでエネルギーのロスを減らし、太陽光発電等によってエネルギーを創りエネルギーの収支をゼロにするというもの。国は2030年までにZEHを標準化することを目指しています。
お話をされた方は、ウトナイモデルハウスの基本設計をお願いした建築家秋山氏をはじめ、住宅設計で有名な伊礼氏、堀部氏、又日本一の工務店と言われている鹿児島シンケンの迫社長等そうそうたる顔ぶれです。
又、今回は北海道から九州まで、自然素材で家を建てている各地を代表する工務店から250名以上が参加し、皆さんの真剣さが伝わる研修でした。
建築家・秋山氏
建築家・伊礼氏
建築家・堀部氏
シンケン・迫社長
シンケンの迫社長は、「自然環境やそこにあるものの力を利用する(=あるがまま)ことを大切にしている。その土地で最も心地よく暮らすにはどうするかを考える。私達は販売業ではなく創造業。」という話をされていました。
”昨今の住宅は、設備により住宅性能を上げることで住宅の価値を上げることが重要視されているが、果たしてそれだけでよいものか?エネルギー問題や環境問題が私達の生活を脅かす話題が多い中、私達はここで再度「住宅」「暮らし方」について考える必要があるのではないか?” 高性能住宅であるから心地よく暮らすことができるのではなく、自然の力を上手に利用した家づくりを心掛けなければ決して心地よい暮らしを手にすることはできないと思います。
私達も創造業として「自然の力を生かす」「心地よさを追求する」ことを基本にした家づくりで、お客様に心地よい暮らしをして頂けるよう心掛けたいとあらためて思った研修でした。
北海道は厳しい自然環境があり外に対して閉じた家になりがちですが、敷地や太陽のことをしっかりと考えれば、明るく心地よい暮らし方ができます。
これから北海道は厳しい冬に向かいますが、北海道ならではの楽しく豊かな暮らしをしましょう!